大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)892 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人佐野正秋上告趣意第一点について。

しかし、原判決は、判示A海運株式会社倉庫内で判示B工業株式会社所有のモー

ターを窃取したと認定判示したものであるから、該物件は、右倉庫内に保管されて

いたものであること、その判示自体に照し明瞭である。そして、その事実は、その

挙示の各証拠によりこれを認めるに余りあるから、原判決には、所論のような審理

不尽又は理由不備の違法はない。論旨はその理由がない。

同第二点について。

しかし、書証の証拠能力は、一般原則に従うべく、たゞ刑訴応急措置法第一二条

は、その所定の書類に限り、被告人から請求があつたときは、その書類の供述者又

は作成者を公判期日において訊問する機会を被告人に与えなければ、これを証拠と

することができないとしたものに過ぎない。たとい、第一審でかかる請求をしても

第二審は覆審である現行制度の下においては原審でその請求をしない上、原審では

その供述者又は作成者を公判期日で訊問する機会を被告人に与えなくとも、これを

証拠とすることを妨げないものといわねばならぬ。それ故原判決には所論のような

違法はない。論旨はその理由がない。

よつて刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 安平政吉関与

昭和二三年一二月一六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 齋 藤 悠 輔

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裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

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